あの世界の片隅で

NEWSで観たこと読んだこと経験したことの感想。Twitterのまとめも。

「24時間テレビ39『愛~これが私の生きる道~』」感想

 2016年8月27日18時30分~28日20時54分に日本テレビ系列で放送された24時間テレビ39。すべてリアルタイムで観られたわけではないけど、こんなに最初から最後まで真面目に観たのは今回が初めて。それはたくさんの方が言われるように私も24時間テレビのコンセプトに心がざわつくところがあったから。でも今回はNEWSがメインパーソナリティーを務めるんだから、今までの思いはとりあえず置いておいてフラットな気持ちできちんと観ようと思って観始めた。

 

 子供ができて歳を重ね、この頃自分がひどく涙もろくなっているのはわかっていたけど、まさか初っ端から泣くとは思っていなかった。パーソナリティー発表の日からずっと嬉しくて楽しみだったのは本当。でも私はどこか夢うつつだった。毎日のように事前番組や番宣に出るNEWS4人の姿や書店に4人の笑顔が表紙のテレビ誌がずらりと並んでいるのを見て高揚感を覚えつつも、どこかで「本当にNEWSが…?」と現実感がなかった。ここ最近Twitterはちょっとお休みしていたけど、時々目を通すたび、どんどん盛り上がっていくTLに何となく入っていけない焦りというか寂しさのようなものも覚えたりしていた。だけどオープニングで「愛は勝つ」を歌いながら階段を下りてくる彼らの姿を見た時ようやくこの光景が現実なんだと実感できた。それと同時にじわじわとこみ上げてくるものがあって、4人が笑顔で歌ったりコメントしたりするのを見つめながら目が潤んでしまった。隣で観ていた夫には「もう泣いてる」と笑われたけれど、きっとこの時日本中で、いや世界中で?私と同じようにたくさんのNEWSファンが泣いていたはず。

 

 NEWSというグループは私が言うまでもなく魅力的なグループ。「様々な苦難を乗り越えてきた」というストーリーが前面に出ることに対する批判もあるとは思うけど、苦難を乗り越えてきたことが彼らの今の魅力なんじゃない。彼らは多分苦難なんて乗り越えなくても、もともと優しくて素敵な人達だったんだと思う。でも色々な経験をしてきたからこそ彼らは大変な思いをしている人やあきらめないで頑張っている人の心にそっと寄り添ったり背中を押そうと思ったりすることが自然とできる、より一層共感力の高い人達になってきたんじゃないかと思う。

 ここから先は私の勝手な幻想を書き連ねるけど許してください。優しさにも色々あるけど、私が受け取るNEWSの優しさは「今できなくても大丈夫、前さえ見ていれば大丈夫、もし前を見る力さえなくても僕たちはそばにいるから大丈夫、いつか絶対に前を見ることができるって信じてるから」という感じのもの。いつもファンの心に寄り添ってくれていて、ファンとの心の距離が近くて、それが今の彼らの魅力であり、時に弱点だとも思う。今回の24時間テレビではそういう4人の魅力が最大限に発揮されていた。

 よさこいの練習中や本番中に彼らが子供たちに見せていた表情、かけていた言葉、心づかい、そして終わった時しゃがんで送った拍手と涙。あれを見るだけでもNEWSの良さは十分視聴者に伝わったはず。他のコーナーでも4人の明るく和やかな表情や出演した方々と接するときの礼儀正しい優しさが随所に光っていて、こんな素敵な人たちの存在に気づけて好きになれた自分が誇らしかった。いつもどおりワチャワチャ仲の良い4人の姿も嬉しかったし、あんな広い会場でもやっぱりすぐにギュッと引っ付くところも可愛かった。

 

 NEWSひとりひとりについて。まずリーダー慶ちゃん。急遽ドラマの代役を務めることになって、ただでさえ忙しい慶ちゃんの体調がまず心配だった。でも慶ちゃんならできるという信頼しかなかったし、慶ちゃんにしかできないという確信もあった。案の定、突然の代役とは思えない程の演技を見せてくれたけど、最後にヨシノリ先生を抱きしめた時は「指導員の榊さん」ではなくシゲのことが大好きないつもの慶ちゃんがこぼれていて可愛かった(笑)シゲも慶ちゃんが代役を務めてくれて心強かったと思うし、ファンもそれは同じ。メンバーを守ってくれるリーダー、ファンの不安を取り除いてくれるリーダーでいてくれる慶ちゃんが大好き。司会者としても出演者のひとりとしても共演者を支え場をうまく回し、まとめていく手腕は見事だったし、慶ちゃんが手話ができることが今回色々な場面で役立っていて頼もしかった。その手話は7年前のこの番組から始まったことやそれが今のキャスター慶ちゃんにつながっていること、ひいては今のNEWSにつながっていることを思うと、本当に感慨深い。

 まっすー。今回は色々なまっすーの表情が見られて嬉しかった。絵本を紹介するときなどに見せていたいつも通りのあざといまでの可愛さはもちろん、息止めの時のポニョみたいな顔(笑)も、格好良く指先まで美しくよさこいを踊る姿も、子供たちを見つめる優しいまなざしも、我慢できずにあふれる涙も、全部。最後に「フルスイング」で泣いてしまって歌えなかったのは心残りだっただろうけど、まっすーの気持ちは痛いほど伝わった。曲が始まった時、まっすーが泣くのを我慢している時にする、髪の毛をファサファサとするあの仕草をしていたことに気づいたのはもう一度観返していた時だった。我慢してたんだね。でもやっぱり泣いちゃったんだね。曲終わりに他の3人がギュッと寄って肩を組んでくれたり顔を覗き込んでくれたりしたときは「美しい恋にするよ」ツアーの「Share」*1を思い出して、やっぱり私も泣いてしまった。だけどあの時とは違う涙だったね。

 シゲ。本番中だけでなく、事前に色々なところで語るシゲの言葉が的確かつ繊細で温かくて、NEWSにシゲがいてくれて本当に良かったと思っていた。それから何と言ってもドラマの主演として色々と大変だったと思うけど、見ごたえのあるドラマだった。シゲの緩急に富んだ演技は素晴らしかった。鬼気迫るシリアスな場面からちょっと笑ってしまう場面まで振り幅が広くて、慶ちゃんも言っていたけど、私も「シゲ」ではなく「ヨシノリ先生」として観て感動していた。難しい役どころだったと思うけど、これはシゲにしかできない役だったね。ドラマ放送の翌日、今私がNEWSファンにさせるべく色々布教している義姉が「ドラマ録画してたの今観てる。加藤くんの演技、素敵♡」とLINEをくれた。シゲ担がひとり生まれたかな?きっと全国にたくさんのヨシノリ先生出のシゲ担さんが生まれたことでしょう。共演者の演技も皆素晴らしかったけど、私が一番心を打たれたのはエリカ様演じる奥さん真弓さんの愛に溢れた強さ。「生ける屍」のようになってしまっているヨシノリ先生と言い争いをした(奥さんが仕掛けた)後、言い返してきたし枕も投げてきた、今まで何の感情も見せず反応もなかったのに、やっとここまで来た、ここからですと嬉しそうに義父に言った場面。もし自分が同じ立場になったとき、こんなこと言えるだろうか。こんな風に夫を支えられるだろうか。小瀧くんのナレーションの上手さにも驚いた。まだ若いのに声の表情が豊かで、本当に素晴らしかった。

 テゴちゃん。今回はテゴちゃんの素敵なところがたくさんお茶の間に流れた24時間テレビだったと思う。バラエティーでずっと頑張ってきた成果が発揮されていて、反応も早いし返しも上手。まっすーのコメントがいまひとつだった時もすかさずフォローしてくれるのはさすがのテゴマス。パーソナリティーが発表されてから「とにかく明るい24時間にしたい」と言っていたテゴちゃん。その言葉通り笑顔を生み出す役に徹していたけど、よさこいが終わって東子ちゃんがお手紙を読んでくれた時、我慢できずに泣いてしまったテゴちゃん。どこまでも明るいチャラ男キャラが世間に浸透していて、それは確かにテゴちゃんが作り上げてきた強力な武器のひとつだけど、あの時顔をぐしゃぐしゃにしていたテゴちゃんも本当に素敵だったな。練習や本番の時の優しくていつもテレビで見せているよりちょっと幼く、時に女の子のように見えた表情も。それから「フルスイング」で泣いちゃったまっすーの肩をしっかり抱いてくれてありがとう。お兄ちゃんが泣いちゃった時、いつもしっかりしてくれてありがとう。

  

 最後に4人がひとりずつコメントをしてから歌った「フルスイング」。4人のNEWSにとってもNEWSファンにとっても宝物のように大切な一曲。私は歌い出しのまっすーの「消えない虹を見つけたとはしゃいでいたね あの日の僕には何が見えたんだろう?」という歌詞が大好きで、「美しい恋にするよ」ツアーでその部分を歌う時のまっすーの表情も大好き。「消えない虹」はきっとNEWSのことだと思うけど、本当に大切そうに慈しむ表情で歌っていた。今回は泣いちゃったからそんなまっすーが見られなかったのはちょっと残念だけど、あの時のまっすーの心中を想像すると、そりゃ泣いちゃうよね、仕方ないよね、いいよまっすー、なんて思う(甘々)。

 4年前ファンの前で初めて歌った「フルスイング」と今回の「フルスイング」は全然違った。4年前は4人ともまだまだ先が見えず不安がいっぱいで、痛みも悲しみも癒えないままの祈りにも似た、自分たちのための「フルスイング」だった。でも今回は自分たちが諦めないで何度も何度も賽を振り、一歩一歩進んで来た足元と自分たちの明日をしっかりと見据え、聴く人に勇気を与える「フルスイング」だった。立ち止まっていたとしたって夢は終わりじゃない。何度追い込まれても一歩を踏み出すことを諦めなければ。それを現実に見せてくれてきた今のNEWSが歌う「フルスイング」は彼ら自身のように聴く人それぞれの心にそっと寄り添い背中を押してくれる「フルスイング」になったと思う。

 

 番組前に4人が言っていたのは「愛とは何なのか、この番組を通して見つけたい」ということだった。だから私も一緒に考えてみた。色々な企画を通してたくさんの方々の人生、前向きな姿勢、努力、諦めずに乗り越えようとする強さを見せていただき、私が見つけたのは「愛とは感謝」。

 今までこの番組が苦手だったのは、いわゆる「障害」がない人達が、大変な思いをしている人たちの頑張りを見て「自分は『この人たちとは違って』『恵まれている』んだから頑張ろう」という「勇気」に似て実はまったく非なる優越感を24時間押し売りされ続けるという印象だったから。 でも今年きちんと向き合って観てみて、少し変わった。完全に賞賛できるわけではないけど、障害がある人でもない人でも、とにかく頑張る人を明るく応援する、色々な人の色々な愛を紹介するという番組だったと思う。もちろん悲しくて涙があふれるコーナーもたくさんあった。それでも観終わった後私の中にあったのは「優越感」でも「同情」でもなくて「感謝」だった。こんなに一生懸命自分らしく生きようとした人のこと。こんなに温かく素敵な家族の存在。師匠と弟子、教師と生徒、親と子など様々な関係性の人々がお互いを思いやる心の美しさ。あきらめないで前を見続ける姿の美しさ。それらは障害の有無には関係のないことで、そういったたくさんのことを教えてもらえたことへの「感謝」。そして自分が今色々ありつつも色々な人の思いに助けられて、何とか日々楽しく過ごさせてもらえることへの「感謝」。周囲の一見当たり前のことをありがたく感じ感謝すること。それが私にとっての「愛」のひとつの形かな。

 

 放送が終わって、今回の番組に関わった方々のブログをいくつか読ませて頂いた。おひるねアートの真心ちゃんのお母さん、加藤さくらさんやおひるねアート協会代表の青木水里さんのブログを読んで、自分の中でもやもやしていたものが少しスッキリした。24時間テレビのあり方に色々な意見があるのが当然だし自然なことで、それでいいと思う。色々な意見をたくさん出し合って、実践してみて、結果的にいい方向に進んでいければ。今回NEWSがパーソナリティーを務めた24時間テレビがその一助になれたら、ファンとしてこんなに嬉しいことはないな。

 

 この番組が終わって夏が終わる気配が強くなっていたけど、来週のMステで歌う「恋を知らない君へ」*2で本当に今年の夏が終わってしまう。次の季節からNEWSがどんな景色を見せてくれるのか楽しみ。できればそろそろテゴマスもね。

*1:

 

 

 

NEWS LIVE TOUR 2012 ~美しい恋にするよ~(通常盤) [DVD]

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*2:

 

恋を知らない君へ

恋を知らない君へ