あの世界の片隅で

NEWSで観たこと読んだこと経験したことの感想。Twitterのまとめも。

これから。

 こんな記事を書く日が来るなんて思ってもいなかった。いや、違うな。いつかこんな日が来るかもしれないってどこかでわかっていたし、覚悟していた。でもまさかこんなに早いとは本当に思っていなかった。

  もう32歳の男性に対する呼称としては適当ではないかもしれないけれど、私はテゴ担の娘と一緒に彼のことを「テゴちゃん」と呼んできた。そして彼に対する思いを書くのはもうこれが最後だから、この記事の中ではやっぱり「テゴちゃん」と呼ばせてほしい。そして変わらずNEWSとして活動を続けていく3人のことも、いつもどおりの呼び方で。

 

 私がNEWSファンになったのは2013年。たった7年前。まっすーの歌声に心をとらわれてここまで来たけれど、私の耳を最初にとらえて、テゴマスに興味を持つきっかけをくれたのはテゴちゃんの歌声だった。あの時の歌声がなかったら、そのすぐそばにいるまっすーの歌声に気付くこともなかったかもしれない。テゴちゃん、ありがとう。私はやっぱりまっすーが一番好きなので、NEWSやテゴマスのどの曲でもまっすーの歌声を一番に探して、包まれて、かみしめて、大切にしてきた。でも、どの曲にも「ここのテゴちゃんの声が好き」とか「ここはさすがテゴちゃん」とかのポイントがあった。全部は挙げられないけれど、特に大好きなのがテゴマス「Over Drive」の上ハモ。この曲だけはまっすーの声よりテゴちゃんの声を堪能してしまう。NEWSが3人になると知った時、「たくさんの思いが溢れ」たけれど、これからNEWSが3人で紡いでいく新しい歌声に対しての不安はなかった。その前日に3人の優しくて力強くて頼もしい歌声を聞かせてもらっていたから。だけど、私の好きだったテゴちゃんの歌声が今までのどの曲からも、これからはもう聞こえてこないんだという事実は、純粋に寂しい。

 

 実を言うと、もうずっと前から「テゴマスのらじお」が聴けないでいた。前は大好きで欠かさず聴いていたのに。私はテゴちゃんの価値観や考え方にずっと違和感や反発を覚えていて、あの場ではそれらが刺激される発言が多くて、その後しばらくもやもやしてしまうので、自衛のために自然と遠のいてしまった。今回、テゴちゃんが会見で行った発言に対してたくさんの批判が向けられた。私もたくさんの部分に引っかかってしまった。「銀座の創作和食で男だけで話すのも」という理由で相手の「医療従事者」から出された要望にこたえて女性を同伴したこと、「移されると面倒くさいから」ずっと自宅にいた女性を選んだこと、何度も繰り返された「男」「男として」という言葉、ファンの「子」という呼び方。「移されると面倒くさいから」という発言には耳を疑ったけれど、他の発言に関しては驚かなかった。私が苦手で離れた理由がそのまま表れているだけだったから。テゴちゃんは自分の将来をお願いする大切な相手とオンラインで話すのは「失礼」と言っていたけれど、私にはまったく理解できない。世界的に未曾有の状況で、医療従事者の方々がまさに自分の命をかけて、たくさんの覚悟をして戦ってくださっている。私はテゴちゃんのしたことはその方々に対して「失礼」だと思う。価値観とか倫理観が私とはまったく違う。でもそのことを私は前から知っていて、だから距離を取っていた。

 今までは危なっかしい発言があっても、隣にいる3人がカバーしてきてくれていたと思う。優しい言葉のオブラートに包んでくれた慶ちゃん、適切な言葉で軌道修正してくれたシゲ、ボケた態度や表現でそれ以上危ない場所に踏み込まないよう押しとどめてくれたまっすー。でも会見の場に3人はいなかった。テゴちゃんは自分の発言の何がそんなに批判されるのかわからないんだろう。だけど、これから世界に向けて発信していこうと思う人の価値観やジェンダー観としては、とても危ういものだと思う。それをきちんと教えてくれる人がそばにいればいいな。会見の時も、そしてこれからももう3人はいないんだから。

 

 STORYが終わったら退所したいと伝えていたと聞いたことも驚かなかった。何となくそういうつもりなんじゃないかなと感じていた。だけど雑誌とかでSTORYの後のことも語っていたから、私が疑いすぎているだけかも、いやでも、と何度も心の中で繰り返していた。退所後に無職になることへの不安や焦りがあったと会見で語っていたけれど、そのことが私には意外でもあり、納得した部分でもあった。退所前に次の場所の準備を「していた」ことについては当然だと思うし、そこの部分はまったく責める気にならない。だけど、時期が悪かった。もし「不安や焦り」からあの時期に2回も対面での打ち合わせに出かけたんだとしたら、それが結果としてこういう状況を生んでしまったんだとしたら。いろいろな意見があると思うけれど、私は2回目の外出がなかったら、こんなことにはなっていなかったと思っている。こんなに早く退所を迫られることにはなっていなかったと思う。いつも自信満々に大きな夢を語っていたテゴちゃん。だけどその強くて、時に生意気にも聞こえる言葉の数々は、自分の弱さとか不安とかを閉じ込めて自分を鼓舞して大きな壁に向かっていく力を得るためのものなんだろうなと感じていた。テゴちゃんは退所してから、「世間の人が見た時」キャリアに空白期間が生じていると少しでも思われるのも嫌だったんだと思う。「落ちたなって思われるのが嫌」と言っていた。だけど、そういう不安とか焦りが退所の時期を早めてしまったんだとしたら、皮肉なことだし、やるせない。たとえ空白の期間ができたとしても、たとえ世間のだれにそう思われても、自分は大丈夫!って自信満々でいてほしかった。「人にどう思われるかなんか気にしない」と常々言っていたんだから。ちゃんと走り続けてさえいれば何とかなるし、自分なら絶対に何とかできるから、とにかく今はSTORYをきちんと終わらせるために外出はやめようって思ってほしかった。そう願うのはファンのエゴかな。だけどテゴちゃんが対外的に見せていた、そういう風に見てほしいんだろうなと私が受け取っていた「手越祐也」という人はそういうキャラだった。

 

 私はずっとテゴマスの活動も待っていたけれど、もうそういう未来はテゴちゃんの頭の中にはなかった。その事実を突きつけられたことも痛かった。退所のことは5、6年前から頭にあったと言っていたけれど、テゴマスのことはいつからどう思っていたんだろう。それを今知ったところで、どうしようもないけれど。テゴちゃんの退所がわかって、久しぶりに「テゴマスのらじお」を聴いた。それまで気持ちがあっちに行ったりこっちに行ったりして、現実味がなくて、その反面ものすごく現実的で、頭も足元もふわふわして、時間の流れが何だか変な感じがしていた。でも、そこでまっすーが「テゴマスの増田貴久です」と言うのを聞いて、まっすーがこう名乗るのはこれが最後なんだなと思うと、一気に現実が押し寄せてきて涙が止まらなかった。私は元々テゴマスからファンになったから、こんな最後なんだ、もう二度とふたりが「テゴマス」として見せてくれる世界には行けないんだと思うと、心にぽっかり穴が開いたような気持ち。NEWSはこれからも続いていくけれど、テゴマスには本当にさよなら。そのことが心底つらい。

 

 まっすーのRINGには今までも何度も救われてきたけれど、退所発表後のRINGを読んで、もう落ち着いたと思った涙がまたこぼれて、この人のファンになってよかったと思った。今までで一番そう思った。それがこんな理由なのは悲しいけれど、本当に「増田貴久」という人のファンになれてよかった。まっすーのことは今までももちろん大好きだったけれど、今までで一番好きで、それが毎日更新されていく感じ。きょうが一番好き。きっと明日はもっと好き。「ありがとうとごめんね」のメッセージにはまっすーのたくさんの思いが溢れていたと思う。それはずっと一緒に進んできたまっすーにしかわからない、もしかしたら自分でも整理しきれていない思いかもしれない。悲しくて、あきれて、悔しくて、寂しくて、ぐちゃぐちゃで、そしてきっと怒ってたよね。あの言葉をあそこで書いたことは、直接は伝えないという意思表明だったとも思う。でも怒りながらも、昔は弟のようだったテゴちゃんに、今までずっと相方だったテゴちゃんに、ずっと一緒に歌っていきたいと願っていたテゴちゃんに向けてのはなむけの言葉だと思った。「ありがとうとごめんね」は、テゴちゃんがこれからどこに行ってもどんな時も自分を守ってくれる、お守りのような言葉だから。

 

 6月18日に3人の歌を聴いて、その時は「3人はテゴちゃんの帰りを待っているんだ」と思った。3人を見て泣いている私に、NEWSに関することではいつもちょっとからかってくる夫が「テゴちゃん(夫もこう呼ぶ)いないと寂しいね」と言ってくれて、それでまた泣いた。その翌日の退所発表だった。3人が沈痛な面持ちで謝罪の言葉を述べていた動画を見て、たくさんの思いが溢れたけれど、一番に思ったのは、みんなそんなに謝らなくていいよということ。まっすーも「お許しください」なんて言わなくていいよと。だけどあれは3人がこれからもNEWSとして進んでいくための謝罪だと思ったから、3人の言葉を受け取って、心にしまって鍵をかけた。その部分を開けることは、これからもうないと思う。もう、いい。3人がこれから見せてくれるものだけで十分。

  それからこの1週間、いろいろあって、たくさん怒って泣いて考えて、もう泣かないと何度も思っては涙がこぼれての繰り返しだった。その間にまっすーのananもあったし(すばらしかった!)、仕事でもいろいろありながら毎日ちゃんと働いて(社会人として当たり前だけど)、感情の起伏が激しいジェットコースターみたいな1週間だった。でもMステで「WAになっておどろう」プロジェクトに3人のNEWS が参加できるのは1週間前にわかっていたし、テゴちゃんの会見を見てから自分でもケリがつけられたと思って、ただただ 3人のパフォーマンスが楽しみー!って言えるようになって迎えた金曜日だった。実際に目にした3人の雰囲気に心底ほっとした。私は4人になってからのファンだから、前回人数が減った時のことは映像を通してしか知らないけれど、その時と全然違うと思った。あの時から年月は確かに流れていて、その間に各々たくさんの経験をしてきて、いろいろな意味でみんな「おとな」になったんだ。みんな自信がついたんだ。もう覚悟ができていて、前を見ているんだ。そう思った。3人らしいパフォーマンスが本当に素敵で、それを見られてただ嬉しかった。嬉しかったのに、なぜかまた涙があふれてきて、自分でもびっくりした。何の涙なんだろう。テゴちゃんがいないことへの寂しさとか、3人でいることの違和感とかではない。3人は3人できちんとNEWSを見せてくれていて、そういうことは感じなかった。それなのに自分の目からあふれる涙は何なのか、自分でもわからなかったし、今もわからない。いつかわかる日が来るのかもしれないし、来ないのかもしれない。でももうそれでいい。私はこれからもNEWSを、まっすーを、慶ちゃんを、シゲを、応援していく。テゴちゃんには今までどうもありがとう、いろいろあったし、最後もいろいろあったけど、やっぱり振り返ると楽しいことのほうが多かったよ、どうかあなたを本当に大切に思ってくれる人と、何を持たなくてもあなたを愛してくれる人と、あなたの思う道を進んでくださいと願う。だけどそれを言葉にするのは、もうきょうが最後。これからは3人だけを見つめて、そして私の大好きで自慢の担当、まっすーこと増田貴久さんの背中をこれからも追いかけて行く。今までもたくさん幸せにしてもらったし、支えてもらってきたよ。これからもっと素敵な景色をたくさん見せてくれるんでしょ?期待してるし、信じてるよ。だから、これからも、よろしく。NEWSのみんな、よろしくね。